ボン書店の幻

ボン書店の幻―モダニズム出版社の光と影 (ちくま文庫)

ボン書店の幻―モダニズム出版社の光と影 (ちくま文庫)


1930年代に新人詩人の作品を美装本で出し続けた「ボン書店」店主を追うルポタージュ。
この本に描かれる「ボン書店」店主・鳥羽茂の姿は、早世の映画監督・山中貞雄を連想させます。というか、志し半ばで死んでしまい、後世、忘れられた存在になってしまった人、すべてを思い浮かばせます。かっこよく言えば、そういった人たちへのレクイエムですよ。この本は。
不遇をかこち、何も持っていないくせに、だからこそ何か出来るはずだと、やり場のないルサンチマンを抱えてる皆さん。オススメです。

男女のしかた


ひゃあ…エッチぃよぉ……c(>ω<)ゞ
江戸時代とかに書かれた性の入門書をマンガにした本なんですけど、エッチすぎです\(*`∧´)/
けどけど、お姫様が嫁ぐときに渡される秘本をマンガ化しているので、「スローセックス」とか読むよりは、ためになるかも??
って、何を言ってるンだ〜\(;゚∇゚)/

ノーボーイズ、ノークライ




兄と一緒に見てきました(^-^*)
貧乏くさ〜い映画でしたが、その貧乏臭さがリアルで良い! 
この映画のテーマ自体、日韓の鬱屈した若者たちの物語ですしね。
主演のハ・ジョンウさんの汚い茶髪と頭の悪そうな役柄がストーリーとマッチしていて、ジョンウさんを一瞬見るだけでテーマが理解できる。すごい人だなぁ。逆に、妻夫木くんはカッコ良すぎて浮いてたかも(;^_^A
ただ、演出がちょっと……。公式サイトでも流れている「アジアの純真」のシーンは間延びしすぎだし、心象風景的な演出は「はぁ?滑ってるし……」って思っちゃったよ。演出とテンポさえ良ければ名作になっていたのになぁ……。けど、ハ・ジョンウさんという役者さんを知ることが出来たのは収穫でした。
あと、内容には関係ないんですけど、横に座っていた兄と妻夫木くんが同じ服を着ていて、ちょっと笑っちゃいました。同じユニクロっぽい地味なポロシャツでも、ここまで違うのかぁ(ノ_-;)ハア…
ついでに、兄の感想は「おっぱいも爆発もないので見て損した」だそうです。

伊丹十三『日本世間噺大系』

日本世間噺大系 (新潮文庫)

日本世間噺大系 (新潮文庫)


これは良い本です!
伊丹十三さんと言えば『お葬式』『タンポポ』の監督、あとは『家族ゲーム』に出てたなぁ・・・くらいの認識しかなかったのですが、この本を読んでびっくりしました。すごい文章家だったんですね!
この『日本世間噺大系』、刊行は1976年なんですが、私が感動したのは、その時代の臭いが伝わってくるような文章なんですよ! 本当ですよ! 開高健の名ルポタージュ『ずばり東京』の驚きに匹敵しましたもの!
もうすぐ2010年ですが、現在との同時代性を感じさせるルポタージュ、読んでないなぁ。どこかでひっそり書かれているのだろうけど、それを見つけるのもまた同時代性を嗅ぎ取るセンスが必要だったりするんですよね…。誰か私にそういう本、教えてくれないかなぁ…。

ホルモンを食べに行く。エロ漫画を想う

先輩の就職が決まったのでお祝いにホルモンを食べに行きました。その先輩と公務員浪人中の先輩と私の3人で行ったのですが、彼ら2人はホルモンとニンニクで精力を付け過ぎたのでしょうか、どうでもいいことで物凄く盛り上がっていました(  ̄_ ̄)
議題は「IKKIとビーム、どちらを読むべきか」。なんでも、IKKIは『ぼくらの』が終わり、『フリージア』も『のらみみ』も次で終了なので、読むのものが『ドロヘドロ』くらいしかないそうです。対するビームは丸尾末広の連載が今回で終わりなので、しりあがり寿とか好きな人じゃないと辛い、とのこと。
横で聞いていた私は「なら読まなきゃいいじゃん」って思ったんですが、結論はマンガエロティクスエフを買うことに決まったみたいです。本当に阿呆ですねC= (-。- )



本屋でのバイトのこと。髪の毛サラサラで縦ジマの高そうなスーツを着たヤンエグっぽい兄さんが、エロ漫画を20冊くらい買っていきました。お支払いはブラックかゴールドか、なんか凄そうなカードで1カツ払いです。レジにいた男性社員が「すげっ…。かっけー…」と感動していました。何がカッコいいんでしょうか? 生き方かな? よくわかりません┐( ̄ヘ ̄)┌

ジャック・フィニィ『ノパルガース』で荒れた胃が癒された

ノパルガース (ハヤカワ文庫SF)

ノパルガース (ハヤカワ文庫SF)


これですよ!
こういうSFが読みたかった! 良い意味で荒唐無稽なパルプフィクション
SFはこうでなくっちゃね!
主人公がエイリアンに拉致されちゃうんですよ。そして、そこの住民がこう言うのです。
「地球の人間はみんな、極めて悪質な精神寄生体に取り付かれている」、と。
ここから先はネタバレになるので書けませんが、200ページそこそこと短い上に、伊藤典夫さんの読みやすい訳文です。昨今のシンギュラリティとかハードSFで胃が荒れた方々におすすめですよ!

水木しげる『奇談』

水木しげるの貸本時代の名作選。
水木しげるさんの本で読んだのは『劇画ヒトラー』、『熊楠』、『水木しげるラバウル戦記』っていう、どちからと言えば傍流のものだけで、本業(?)の妖怪ものは読んだことなかったのですが、やっぱり妖怪ものもおもしろいですね。発見がたくさんあります。
どの作品にも登場する眼鏡で出っ歯のあの人が大好きです。あの切ない感じがいいんですよね〜。そして、彼のようなデフォルメされたキャラクターと、リアルに描き込まれた妖怪とのギャップが素晴らしい。日常と非日常のギャップがこれでもかと現されています。
この「貸本・短編名作選シリーズ」はすでに5冊も出てるんですね。他のも読んでみようと思います。