ウォッチメン最高!




重い作品だったなぁ。内容も重量も、すごく重かったです。漫画だと思って舐めてたら、読むのに6時間くらいかかりましたもん。腕が痛いです……。
読む前はヒーロー同士が戦う「暗いX−MEN」みたいな話だと思ってたんですよ。それがアナタ、いやはや全然もっとずっと深い話でした。
内容はネタバレになるので置いとくとして、出てくるヒーローがみんな魅力的。二代目ナイトオウルの凡人なところとか、強くてたくましいのに弱さが透けて見えるコメディアンとか、ほんのちょっとだけ狂っているオジマンティスとか。そしてそして、もちろんロールシャッハさんが最高です! 社会的に見たらクズそのものなのに、初志貫徹で真面目に活動してるから、ロールシャッハさん1人に焦点を当てるとカッコイイ孤独なヒーローにしか見えない! ロールシャッハさんの過去話もあいまって、本当に大好きになっちゃいました。気を使ってナイトオウルを慰める場面にはクスッっとしつつもちょっと感動。
そして絵の密度が濃いんですよ! 情報量がすごく多い。だから読んでいて疲れるし、絶対に読み落としがあると思う。逆に言えば、噛めば噛むほどおもしろい作品だってことですよね。
そんな最高に最高な作品だったんですが、、実は苦言を呈したい部分もあるんです。やっぱり四半世紀前の作品だからですかねぇ、時代背景に古さを感じざるを得ない! これはもうどうしようもないことなんですが。
東西冷戦の核戦争勃発前夜って時代設定なんですが、911を体験してしまった現代では、あのラストには少し物足りなさを感じました。現代はすでにウォッチメン後の世界だと思うんですよ。イラク戦争でのアメリカの一致団結の恐ろしさ、あれはまさにウォッチメン後の世界じゃないかなぁ。
それでもやっぱりヒーローたちの生き様や各所のテーマは古びることない不変性があるし、412P中、響くセリフがたくさんある。特に最後のページの6コマめ、「シーモア、お前にやれといったんだぞ!悲惨な人生の中でせめて一度くらい責任を持って意味のある仕事をしてみろ!」というセリフは、ここ何年かで一番グッと来るセリフでした。
映画は未見なので、DVD出たら絶対に見たいと思います!
ウォッチメン最高!